photo・神ノ川智早 KAMINOKAWA Chihaya
host & subject・瀧澤綾音 TAKIZAWA Ayane
place・東京都中央区有楽町のあたり
dress・CANA TOKYO
many thanks to
第4回目は、写真家の神ノ川智早さんです。
智早さんとは、BANSANの招待状の撮影で初めてお会いしました。
私は写真に写るのが苦手で初めてだったのだけど、智早さんの撮影は、呼吸のあう感覚がたしかにあって心地よく、撮影が進んでいきました。
撮影のときの智早さんは、光の状態を繊細につかまえていて。写真になったときの光の美しさにびっくりしました。
そして、智早さんは『工事中の景色が好き』とおっしゃっていて。智早さんの撮った写真をみせてもらい 私もいいなあと思いました。
智早さんの目は、私とは違う世界をとらえている。
私のなかで、日常の中にある 光や人工物への 楽しい視点が増えた経験でした。
そして、ひとを写そうと 真正面から向き合う智早さんのすがすがしさに惹かれました。
智早さんの目線をかりたら、東京のことを好きになれるかもしれない。智早さんのみている世界を見てみたい。
その場や人をあることをないことにせず、透き通るような心地よい写真。
そして呼吸の合う感覚。
初めてお会いして 撮影を終えたその場で、直感的に撮影をお願いしていました。
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BANSANの撮影で、写真を確認して『最高の写真だ』と思いながら、自分が写っているから 言い淀んでいたら。
写真を担当した智早さんに『いい作品と思ったら、自分が写っていようとも いい!って言っていいんだよ』と言ってもらいました。
洋服・写真・メイク・光・場所・人間、いろんな要素をもっている作品だったと改めて思いました。
今回の試みでは、
『うつしてくれる方の”美しい・いいな・好き”を大切に 私(主催者)や社会的なものは考えないで 自分の感性を大切にしてください。』
とお願いして、撮影やセレクトもお任せしました。
この試みで智早さんは最高の写真、そして写真集をみるようなレイアウトもご自身で素敵につくってくださいました。
どこまでも素敵な作品を真摯に作ったり、向き合う智早さん。
この企画にしっかりと付き合ってくださり、最高の作品を渡して下さりました。
また撮影も一緒に冒険でき、光や東京の新しい世界をみせてくれました。
尊敬と感謝の想いでいっぱいです。
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今回の「あなたのまなざし」は、美術家の坂内友美さんです。
彼女は 肩書きにしばられないような いろんなことをしておられる方です。
初めてお会いしたBANSANの撮影のとき、ヘアメイクやアートディレクションや動画の音楽も担当していらっしゃいました。
そこでの”表したいもの”に寄り添い それを作っていく姿は、根源的な創作をみせていただいたように思います。
呼吸するように ものづくりをしていくような、
身軽に 風にも身をまかせながら 芯の強く生きているのを感じるよな素敵な方です。
そんな友美さんの目線にふれてみたい と今回お願いしました。
「あなたのまなざし」
人はそれぞれの世界を見ている。
偶然の位置やその人との関係性、そして記憶・経験からくる思考や感情。
私は、それぞれの人生があることが不思議で、ひとりの人間の営みのかけがえなさを思い、愛おしく思います。
あなたの世界に少しでもふれてみたい。そんなひそやかな幸せにお付き合いいただきました。
智早さんお気に入りの一枚
神ノ川智早さん(写真家)のまなざし
<撮影についてのまなざし>
綾音さんにはどこか野性的な空気がある。
彼女は東京という大きな街が苦手なんだろう、と私は勝手に思っていた。
ここに居る理由はあるけど、彼女にとって居心地の良い場所ではなさそうだな、と。
でも、街の中の綾音さんを見てみたかった。
無機質な硬い鉄とコンクリートに囲まれながら、少しずつしなやかに動き出す綾音さん。
撮っているうちに、鉄もコンクリートも、まるで綾音さんを囲む伸びやかな自然物のように見えて来た。
そこを自分の居場所と決めれば、どんな場所も自分に寄り添いはじめるのかもしれない。そんな風に思った。
<プロフィール>
鹿児島生まれ、岐阜育ち。
高校卒業後、サンフランシスコのCity College of San Franciscoで写真を学ぶ。
帰国後、渞忠之氏に師事。2006年独立しフリーランスに。
人の生活や生き方を伝える写真に興味を持ち、ポートレイト、ファッション、
人を取り巻く風景や物などを撮り続ける。
坂内友美さん(美術家)のまなざし
<この試み・あるがまま・愛についてのまなざし>
あるがままであることを意識してしまったら、それはあるがままなのかと考える事があります。
気にしすぎる自分も、こうありたいと真似ごとをする自分も、今のあるがまま。なのかも。
なにも考えてない時の自分を、素敵だね。って言われたりすると、とても照れるけどとても嬉しい。
私もあなたの気づいてないあなたに、素敵だよ。と言える人でありたいです。
<プロフィール>
油絵画家の祖父とクリエーターの両親の元、物心ついた時から絵を描くこと、ものを作ることを日常の一部として育つ。 高校、大学と美術の学校へと進み、民芸雑貨屋のデザイナーを勤めた後、フリーランスの作家として活動。 素材や媒体に捕われず、ものがたりを持ったものから新たなものがたりを生む。