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生きるための写真
2011-2015
​撮影 canon IXY


生きるための写真
2011-2015

2011年、東日本大震災の頃、うつ状態がやってきた。私は急に身体を起こすことができなくなった。
呼吸することすら難儀で、一歩一歩外を歩くことも 涙をこぼしながら 下を向きながら歩いた。

そんな頃に、写真に出会った。
写真を撮ることは、私の歩く一歩一歩を助けてくれた。

下を向き歩く私は 落ちているものを多く見つけた。
そのときの私に重ねていたのかもしれない。見過ごせなかった。
私にはどうすることもできないそれらを 掬うように、祈るように、撮っていった。
そのうちに、落ちているもの/落ちていないもの、生きているもの/生きていないもの、の境界が曖昧になっていった。
​そのうち
面白い景色・好きな景色・模様を撮るようになっていった
世界の美しさを見つけるようになっていった。

この頃よりも、生きやすくなっていると思うし あの頃思いもよらないところに今はいる。
あの頃に戻りたいとは思えないけど、あの頃の写真は好き。
生きることの美しさを思う。

 

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